副業収支を洗い出したら赤字180万円
——「無職のほうがマシ」と思った夜
「600万の借金と副業の現実」
借金600万円を抱えている僕にとって、副業は“救命ボート”のはずだった。
本業の給料だけでは返済のゴールが見えない。
だからこそ、ブログも、せどりも、動画編集も、次から次へと手を出してきた。
「多少の赤字でも経験が残る」
そう自分に言い聞かせながら。
でもある日、ふと思った。
——これ、本当に意味があるのか?
不安に突き動かされて、パソコンを開き、これまでの副業すべての収支を
エクセルに打ち込んでみた。
3時間かけて数字を並べ終えたとき、目の前にあったのは惨めすぎる現実だった。
「……これ、無職のほうがマシちゃうか?」
思わず口から漏れた言葉は、自分の胸に重く沈んだ。
「経験という名の赤字」
僕がやってきた副業のリストを改めて並べると、笑えない。
区分 | 内容 | 支出 | 売上 | 損益 |
---|---|---|---|---|
学習系 | プログラミング学習 | -360,000円 | 0円 | -360,000円 |
学習系 | ロゴデザイン講座 | -60,000円 | 0円 | -60,000円 |
学習系 | イラスト教材・環境整備 | -30,000円 | 0円 | -30,000円 |
ギャンブル系 | 競艇 | -1,000,000円 | 0円 | -1,000,000円 |
ギャンブル系 | 競輪・競馬 | -100,000円 | 0円 | -100,000円 |
ギャンブル系 | パチンコ/スロット | -40,000円 | +80,000円 | +40,000円 |
物販 | せどり(仕入+古物商) | -400,000円 | +68,974円 | -331,026円 |
合計 | -1,990,000円 | +148,974円 | -1,841,026 |
合計は マイナス184万円超。
画面に並んだ数字を見た瞬間、背筋に冷たいものが走った。
椅子にもたれ、天井を見上げながら「何してんだ俺」とつぶやく。
指先は震えて、エンターキーを押したまま数分間動けなかった。
副業を“やっているつもり”だった2年間。
残っていたのは、借金総額600万円のうち約200万円を
副業でさらに積み増した、という地獄の事実だった。
「副業が赤字に陥る3つの構造」
なぜこうなったのか。
冷静に振り返ると、副業が赤字に陥る理由は構造的に存在していた。
1.初期投資の見込み違い
「これさえ学べば稼げる」と信じて教材やツールに投資するが、回収プランが曖昧。
結果、積み重なるのは“使いこなせなかった領収書”だけ。
2.経費の固定化
半年以上ログインしていない有料ツールの課金。
ほとんどアクセスがないブログに垂れ流した広告費。
「もったいないから続ける」が傷口を広げた。
3.収益化前の拡張
まだ利益が出ていないのに新しい副業へ手を広げる。
「多角化すれば安定する」という幻想は、ただ赤字を分散させただけだった。
出典:総務省 家計調査
副業を始めた個人の3割以上が、初期3年間は赤字を計上しているという。
数字を見て僕は悟った。
「失敗じゃない、成長しているんだ」なんて言葉は、
借金を正当化する魔法にすぎなかった。
「数字から逃げるな」
僕が痛感したのは、感覚ではなく数字で判断することの重要性だ。
改善のために決めたルールは3つ。
- 毎月末、必ず収支表を作る
- 初期投資は回収プランを立ててから実行する
- 経費は月単位で見直し、不要なものは即解約
特に「経費の解約」は効果が大きかった。
惰性で払い続けていた1万円のサブスクを切っただけで、翌月の赤字が目に見えて減った。
副業で稼ぐことよりも、まず“出ていくお金を止めること”がスタートラインだったのだ。
借金返済を目指して副業をやっていたのに、その副業が借金を増やす要因になっていた。
この矛盾に気づけたこと自体が、最大の収穫だったのかもしれない。
「無職のほうがマシと言えた日」
収支表を作るのは怖い。
数字は冷酷で、言い訳を一切受け付けないからだ。
けれど、向き合わなければいつまでも「やっているつもり」で時間もお金も失われていく。
借金総額600万円。
そのうち副業だけでも約200万円のマイナス。
もし何もしていなければ——無職でさえ、この数字よりはマシだったかもしれない。
でも、その惨めな事実に向き合えたからこそ、僕はやっとスタート地点に立てた。
これからは「知識への投資」ではなく、「数字を黒字に変えるための行動」に絞る。
数字は残酷だ。
でも、数字だけが僕を黒字に連れていく。
あの日、「無職のほうがマシ」と思えた瞬間こそが、僕の副業の転機だった。
よくあるFAQ
Q1. 副業で赤字になった費用は経費として落とせる?
→ 原則「雑所得」扱いの副業は経費計上できる。ただし赤字を本業の給与所得と通算するのは不可。
出典:国税庁タックスアンサー
Q2. 赤字が大きい副業はやめるべき?
→ 目安は「半年以上改善が見られない」「投資額の3割以上が失われた」時点。損切りも立派な判断。
Q3. 借金がある人が副業で再挑戦するなら?
→ 初期費用が低いストック型(ブログ、動画発信など)が現実的。大きな仕入れや投資型は危険。金融庁も「安易な投資副業」に注意を促している。
出典:金融庁 個人向け注意喚起
コメント