「副業はスキマ時間でOK」を信じて睡眠を削った末路
「救いの言葉にすがった日」
「副業はスキマ時間でできる」——この言葉を初めて聞いたとき、僕は救われた気がした。
本業で残業が多く、家庭もある僕には、まとまった時間なんて作れない。
だから「スキマ時間で稼げる」なら、自分にもできるはずだと思った。
そして、夜のテレビ時間を削り、朝は1時間早起きし、昼休みもスマホで作業。
やがて、それでも足りずに睡眠時間を削り始めた。
「睡眠を削って積み上げた泥の塔」
最初は順調に見えた。
- 通勤電車で記事構成を作る
- 昼休みにブログ下書き
- 夜中にリサーチ
単純なタスクをこなすことで自分がまるで「できる人間」に感じた。
だが、1ヶ月もすると体に変化が出た。
眠気で集中できず、作業スピードが落ちる。
仕事中のミスも増え、本業にまで影響が出始めた。
結局、スキマ時間をフル活用した結果、
1日の作業量は増えたのに、副業の成果はほとんど変わらなかった。
むしろ生活全体のパフォーマンスが落ちていた。
眠気は単なる怠けではなく、体を確実に蝕んでいった。
朝は目覚ましを3回止めてようやく起きる。
通勤電車の中では文章を考えながら寝落ちし、気づけば降りる駅を通り過ぎる。
夜はパソコンの前で気づかぬうちに船をこぎ、何度もキーボードに額をぶつけた。
「まだ自分は頑張れる」と思い込んでいたが、体は正直だった。
妻から「最近、会話中に目が泳いでる」と言われたとき、ようやく危険信号を実感した。
「スキマ時間は両刃の剣」
「スキマ時間活用」は確かに有効だが、条件を満たさないと逆効果になる。
スキマ時間活用3条件
-
集中力が保てる時間を選ぶ
疲労がピークの時間帯では効率が落ちる。 -
睡眠を削らない
睡眠不足は記憶力・判断力を大幅に低下させる。 -
優先順位をつける
短時間で成果につながるタスクに絞る。
実際、ハーバード大学の研究では、睡眠不足が続いた被験者は
「自分では集中できていると信じていた」のに、
実際の作業効率は30〜40%も低下していたという。
つまり、睡眠を削って頑張っているつもりでも、数字的にはむしろ逆効果。
僕の副業成果が横ばいだったのも、科学的には当然の結果だった。
一方で、短時間でも集中すれば成果は出る。
たとえば「朝起きてから90分以内」に作業したときは、
同じ1時間でも3倍近く記事が進んだ。
人間の集中力は環境と時間帯に左右される。
だからこそ、ただ「スキマを埋める」のではなく「集中できるスキマを選ぶ」ことが重要だ。
「削るのは睡眠ではなく雑音」
僕の失敗は、「時間を増やせば成果も増える」という短絡的な発想だった。
実際は、
- 質の低い時間を積み重ねても成果は伸びない
- 睡眠不足で作業効率が下がり、むしろ遠回りになる
これが真実だった。
今は、
- 朝の1時間だけ集中作業
- 睡眠時間は最低6時間確保
- やるべき作業は前日夜に決めておく
これだけで、以前より短時間で成果が出るようになった。
さらに僕は生活習慣を見直すために、小さな工夫を始めた。
夜は23時以降に作業しないと決め、
ブルーライトカット眼鏡を使って就寝前は意識的に画面から離れる。
朝は起きた直後に白湯を飲み、体をほぐしてから机に向かう。
これだけでも眠気の質が変わり、作業スピードは目に見えて改善した。
加えて「やらないことリスト」を作り、
SNSの無駄なスクロールや惰性の情報収集を削った。
浮いた時間を副業に回すことで、
以前の“睡眠削り副業”よりも短時間で記事数は稼げるようになり
成果が出るようになった。
「眠ることも副業の一部」
「副業はスキマ時間でOK」という言葉は間違いではない。
でも、それは「質の高いスキマ時間」であって、「睡眠を削った時間」ではない。
副業はマラソンだ。
短距離走のつもりで睡眠を削れば、ゴールにたどり着く前に倒れる。
だから今日も、ちゃんと眠ってから作業する。
眠ることも、副業の一部だとようやく気づいたから。
よくあるFAQ
Q1. 睡眠を削ってでも副業時間を増やすべき?
→ いいえ。睡眠不足は生産性を下げ、むしろ成果が遠のきます。最低6時間は確保しましょう。
Q2. スキマ時間でおすすめの作業は?
→ 企画・構成・リサーチなど、短時間で区切れるタスクが有効です。執筆など重い作業は集中できる朝に。
Q3. 睡眠と副業を両立するコツは?
→ 作業は1日最大2時間、就寝前はデジタルデトックス、週3回の軽運動で集中力を維持すると効果的です。
コメント