副業初心者が陥る落とし穴|“みんな最初は初心者”に潜む危険

借金/資産の真実

「みんな最初は初心者だよ」の優しさに、危うく殺されかけた副業初期の話

「優しさ」に救われたはずが

副業を始めたばかりの頃、よくかけられた言葉がある。
「大丈夫、みんな最初は初心者だよ」

その言葉は温かく、僕を安心させた。
「失敗してもいい」「時間がかかっても大丈夫」
そう思えるようになった。

でも、今振り返ると、その優しさに甘えて行動が遅れ、
危うく副業を諦める寸前まで追い込まれていた。

「安心」が「油断」に変わった瞬間

ブログを始めたとき、最初の1記事を書くのに丸3日かかった。
タイトルを考えるだけで数時間。
本文を書き出しては消し、また別のアイデアに飛びついては中断。

ようやく公開ボタンを押したのは、深夜2時を回った頃だった。

当然アクセスはゼロ。SEOも分からず、キーワードも適当に選び、誰の目にも触れない。
それでも副業コミュニティの人たちは優しかった。

「最初はそんなもんだよ」
「焦らなくていいよ」

その言葉を読むたびにホッとして、胸の重りが少し軽くなる気がした。
だが、その安心感はやがて油断に変わった。

本来なら「次はもっと早く書こう」となるはずなのに、
僕は「まあ今日は休んでもいいか」とパソコンを閉じる日が増えていった。

夜、机の横に積んである本を眺めて、「勉強は明日からでいいや」とベッドに潜り込む。
スマホを握ったままSNSを眺め、気づけば1時間が溶けている。

結果、記事更新の頻度はどんどん落ち、学習スピードもゆるやかに。
書けた記事は3か月でたったの15本。
収益はまったく発生していないかった。

特に悔しかったのは、同じ時期に始めた人たちが少しずつ結果を出していったことだ。
「初収益で1,000円いきました!」とSNSで報告する声を横目に、
僕の管理画面には“0円”の数字が並んでいた。

それでも優しい言葉に逃げ込んで、「まだ初心者だから仕方ない」と自分を甘やかした。

ある夜、モニターの前で手が止まった。
書きかけの記事の文字数はわずか300字。
気持ちが乗らず、何度も同じ段落を読み返しては削除してしまう。
机に突っ伏してため息をついたとき、頭の中で「みんな最初は初心者だよ」という声が響いた。
その瞬間、胸の奥がざわついた。

——この言葉に甘えていたら、一生“初心者”のままじゃないか。

気づけば4,5か月はすでに過ぎ、残ったのは15本の記事だけ。
「副業を始めた意味はあったのか」と問いかけても、返ってくるのは虚しい沈黙だった。

「優しさの落とし穴」

「最初は初心者」という言葉は事実だが、心理的には落とし穴もある。

1.緊張感の欠如
失敗を許容されすぎると、改善意識が弱まる。

2.行動量の低下
「焦らなくていい」が「急がなくていい」に変わる。
実際、僕は「今日は休んでも大丈夫」と記事を閉じる日が続いた。

3.成長スピードの鈍化
初心者モードから抜け出すのが遅くなる。

行動心理学でも、人は「適度なプレッシャー」がなければ行動量が減る傾向があるとされている。

「初心者期間は意図的に短く」

僕が学んだのは、優しさは行動の代わりにならないということだった。
どれだけ励まされても、手を動かさなければ記事は増えないし、収益も生まれない。
「初心者だから仕方ない」という言葉は、確かに心を守ってくれる。
でも同時に、行動を遅らせる麻酔のような役割も果たしてしまう。

副業を続けていると、どうしても結果が出ない時期がある。
そんなときに「大丈夫」と言ってもらえるのはありがたい。
ただ、その言葉をどう受け止めるかで未来は大きく変わる。
僕のように甘えてしまえば、4~5か月たっても15記事しか残らない。

でも、同じ言葉を「初心者だからこそ、急いで抜け出そう」という決意に変えれば、
成長の起爆剤になる。

そこから僕は、初心者でいる時間を意図的に短くするための工夫を始めた。

  • 明確な期限と数値目標を設定する
    「3ヶ月で30本」と決めたら、逃げ道をなくす。
  • 定期的に成果を人に見せてフィードバックをもらう
    他人の目にさらされることで、甘えを排除する。
  • 失敗の原因を必ず言語化して次に反映する
    ただ落ち込むのではなく、必ず次の改善につなげる。

これらを習慣化してから、僕の行動量は格段に増えた。
1週間に1記事しか書けなかったのが、2〜3記事に増え、記事数を伸びていった。
「初心者だから仕方ない」という言い訳を封印した瞬間、ようやく歯車が動き出した感覚があった。

「優しさは毒にもなる」

「みんな最初は初心者だよ」という言葉は、温かいが危険でもある。
安心感は必要だが、それに寄りかかって行動を遅らせると、優しさは毒になる。

初心者期間は、誰にでも与えられる特権だ。
でも、その特権をダラダラと使い続けていると、気づけば1年が過ぎても成果はゼロのまま。
その事実に直面したとき、人は副業を諦めてしまう。

だから僕は決めた。
初心者の看板は自分で早く下ろす。
誰かに「大丈夫」と言ってもらう前に、自分で「もう大丈夫」と言えるようになる。

副業は長距離走だ。
スタート時に安心感があるのは大事だが、それだけではゴールにたどり着けない。
必要なのは、優しさを受け取ったうえで、自分にだけは厳しく進み続ける覚悟だ。

優しさは力になる。
でも、時には足かせにもなる。
その二面性を理解して、自分を律すること。
それこそが、初心者から抜け出し、副業で成果を出すための唯一の道だと、今なら胸を張って言える。

ただ、僕はそれから半年で150記事を書くことになるのだが、結局収益がたった74円しかなかったことはまた別のお話。

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